「恐怖の老後破産」55歳からの防衛術

6人に1人が生活保護水準を下回る”爪に火を点す”生活。蟻蟻地獄にハマらないために、今あなたは何をすべなのか

「独居老人の孤独死……マスコミでそう報じられるたび、将来、自分がそうなるのが嫌で、これまで婚活に励んできました」

と言うのは、バツイチの会社員・Aさん(59)。

ところが、今、彼が孤独死と同じく恐れているのは”“だという。

「9月末にNHKスペシャル『老人漂流社会”老後破産”の現実』という番組を見て、背筋が凍る思いがしました」(Aさん)

Aさんが戦慄を覚えたのは、電気代を払えず、薄暗いアパートの部屋でインタビューを受ける、83歳の独居老人の姿だったという。

「退職金を使い果たし、年金暮らし。年金から家賃を支払うと、月々の生活費はわずか4万円。ガスの炎を明かり代わりに無理くり生活しているんです……」(前同)

65歳以上の高齢者人口は3200万人を超え、人口の4人に1人が高齢者となった超高齢化社会の日本。核家族化などが進み、3200万人のうち5分の1、実に約600万人が一人暮らしを余儀なくされているが、こんな事実を知っているだろうか?

「その半数にあたる約300万人は、生活保護基準よりも低年収である世帯と推定されますが、生活保護を受給できない世帯が7割近くの約200万人もいる。食べるにも困る、この200万人の窮状を”老後破産”と呼ぶんです」(全国紙経済部記者)

高齢者の16人に1人が”老後破産”の状態にある現代。とはいえ、多くの50代は”自分は大丈夫”と思っているはず。取材を始めるまで、本誌記者もその一人だった。だが、記者が取材した高齢者は口をそろえて、「50代の頃、まさか自分の老後が、こんな悲惨なものになるとは思わなかった」と証言するのだ。

いったい、何が起きているのか。

Bさん(77)は65歳で定年退職するまで、ごく普通のサラリーマンだった。妻と息子と同居し、蓄えは退職金を含めて2000万円。住居は持ち家で、ローンも完済している。これから、まさに”理想の老後”を過ごせるはずだった。

「ところが、息子が会社の上司とのトラブルから退職してひきこもりとなり、時を前後して妻にも先立たれてしまいました」(Bさん)

息子の稼ぎは当てにできず、頼れるのは月18万円弱の厚生年金だけ。2人分の生活費をやりくりするのが精いっぱいの金額だった。

「それでも貯金がありましたから、たまには現役時代に嗜んだゴルフを楽しむなど、老後をそれなりに謳歌していたんです」(前同)